cafe TEMO定休日の今日は
娘がちょい役で出演する「アンダンテ~稲の旋律~」という
映画の撮影に付き添いで行ってまいりました。
佐原市はわたしの故郷のひとつである柳川市と同じく
掘割に古い町並みを残すノスタルジックな水郷の街。
武蔵小杉から日暮里経由で小3時間かけてたどり着いたのですが
残念ながら街は横目で見ながら通り過ぎ、廃校のロケ現場に入りました。
この日のために娘に課せられた課題は
♪エリーゼのために♪をピアノで弾けるようにしておくことと
♪浜辺の歌♪を歌えるようにしておくこと。
ピアノの楽譜は2週間前、歌の楽譜は1週間前に渡され、
娘なりに辞書を引き、ピアノを練習して
よく、がんばっていたのではないかと思います。
撮影時間には地元小学生も参加してくれ、
歌のほうはまずまず…だったと思うのですが
次のピアノを弾くシーンでは練習時間なしでの撮影に
緊張の色がうかがえました。
スタッフさんや先生役の女優さんのおかげで
なんとか弾きとおしましたが、
まちがえるたびに草むらで頭を下げるわたしでした。
(写真は隠し撮りのようになってしまったのですが、みんなで歌を歌ってるところ)
わたしたちは今日の撮影が終わればおしまいですが
監督さんはじめ、スタッフの皆さんは連日、朝から晩まで
撮影だけでも5月からされているということですから
“ものづくり”というのはほんとうにすばらしいですね。
大人たちが一生懸命にものづくりしている現場にごいっしょできたこと自体、
娘にとって大きな大きな宝物です。
ありがとうございました。
かつて、やはり「ゼラチン・シルバー・ラブ」という映画の撮影のとき
動物園に来ている親子エキストラをやった際のことですが
撮影のあと、監督さんが深々と「ありがとうございました」と頭を下げられ、
「こんなわたしたちに!?」とすごく感動したことがあります。
こういう現場でも、映画の世界の方々は
人の魂の強さがとくに感じられて大好きなわたしです。
対して娘は舞台が大好き!
舞台「瞼の母」千秋楽でのスペシャル・カーテンコールで
キラキラとふってくる紙ふぶきを両手を広げて見上げた彼女の姿は
母にとって最高のプレゼントでもありましたが
娘にとっては舞台のとりこになる忘れられないできごとだったようです。
よく「舞台でスポットライトを浴びたら病みつきになる」といいますが
舞台に立ったこともスポットライトを浴びたことのないわたしにはわからない世界を
娘が経験できたことも親としてはうれしい限りです。
とはいえ、じつをいうと今日の仕事は娘にとっては大きな大きなひと区切りなのです。
現場の皆さんにとってはエキストラに毛の生えたような役だったと思いますが
そんな思いもあって、母子ともども力いっぱいやらせていただきました。
これからしばらく、劇団を離れて新たな道を歩こうとしている彼女ですが、
ひまわりの2年半を通して学んださまざまな体験は陽香にとって一生の宝物になるはず。
これからの彼女の人生にエールを贈るとともに
「いままで、本当に本当によくがんばりとおしました」と言葉を贈りたいです。
陽香、お疲れ様!