cafe TEMO とテモばあちゃん


 
cafe TEMOにとって大切な日のひとつが5月15日。
 
そもそもTEMOって、なんだろう。なんのことだろう。
今日はお店の名前の由来の物語です。
 
「テモばあちゃん」
 
そんなに昔ではないちょっと昔の話。
東京から国道1号線、関西に入って2号線、
関門海峡を渡って九州に入った3号線をずっと南下し、
熊本県と鹿児島県の県境を越えた出水市のいちばんはじっこ、
“切通”にいたのがテモばあちゃんです。
 
テモばあちゃんは不思議な力をもっている人でした。
 
テモばあちゃんがみかん畑に入ると、鳥たちが集まってさえずり、
蝶や虫たちも、まるで友だちのようにやってきます。
もちろん、草や花たちも生き生きと楽しそう。
テモばあちゃんは話しかけます。
「まぁ、いい色になってるね」
「おや、今日はごきげんななめかい」
 
テモばあちゃんは笑顔いっぱいの優しい人でした。
疲れた人がいれば「お茶をいっぱいいかがですか」
貧しい人には「ごはんをめしあがれ」
托鉢のお坊さんには手を合わせ…
怒った人にはおだやかな気持ちになる魔法の粉をかけ。
身分や身なりに関係なく接するテモばあちゃんは
だれからも愛される人でした。
 
どこにでもいるようで、どこにもいない
テモばあちゃんの魅力に多くの人が慕い、集いました。
 
そんなテモばあちゃんが交通事故で逝ったあと、
何年も何年も
びっくりするくらいいろんな人が
テモばあちゃんを訪ね、偲んでくれました。
 
九州の最南端に向かう3号線沿いには
今、そんなテモばあちゃんの石碑が建っています。
鹿児島県に入ってすぐの、小高くなったカーブの左。
機会があったら足を止め、
テモばあちゃんのいた場所に立ってみてください。
きっといまでも、あなたを心優しい気持ちにしてくれると思います。
 
cafe TEMOは、そんなテモばあちゃんの人柄にあやかって
「人々がくつろぎ、集う場所」になれるようにつけた名前。
 
いろんな人が肩肘をはらずに、
思い思いにくつろげる場所になりますように。
そんな思いから名前をいただきました。
 
5月15日はテモばあちゃんの命日です。
テモばあちゃん、ありがとう! 合掌
 
 
 
 

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