以前このブログで6倍の双眼鏡を11台ほど取り上げ比較しました。(2/8、2/13)
ずいぶん遅くなりましたが、その続きです。
前回までに11台のうち7台ご紹介しました。
今回は残り4台の比較をしてみたいと思います。
この4台。すべて現行機種です。
上左が勝間6x30CF防水。右がヒノデ6x30CF防水。
下左がヒノデ6x21-N1。右がヒノデ6x21-S1です。
まずは、ヒノデのN1。
ヒノデの双眼鏡の中で最もコンパクトで廉価な機種です。
最大幅101ミリ、重さ155グラム。まさにポケットサイズです。
レンズのコーティングは全面モノコート。もちろんルビーコートではありません。まともなコーティングです。
こちらが接眼レンズ側から見たところです。本当にモノコート?というぐらい良い感じです。
この写真でお判りいただけると思いますが、アイレリーフはあまり長くなく、13ミリ。
実際に覗いて見ての比較は次のS1といっしょに見てみたいと思います。
ヒノデのS1です。小さな非防水の双眼鏡にそこまで…というぐらい凝った作りです。
接眼レンズ側から。レンズの中に見える白い部分が瞳です。きれいに丸いのがいいとされます。
そもそも、高級双眼鏡は普及タイプの双眼鏡とどこが違うのでしょうか?
高級と普及で解りにくかったら、高いと安いと言えば解りやすいかもしれません。
たとえば、8x20(倍率8倍、口径20ミリ)ぐらいの双眼鏡ですと
ざっと見たところ、そのお値段 880円!~91700円!!(楽天市場3/29データ)です。
その差100倍以上です。
さらに、安い方が口径は22ミリと大きいのです。
そして、高い方はオーストリッチ皮張り。これは性能とは関係なさそうですが…
さすがにその2台が同じ見え方だとはだれも思わないでしょうが、どこが違うんでしょうか?
まず、もっとも重要なレンズの品質。高い方が良いレンズを使っているのは当たり前として、
コストをおさえるには安いガラスを使う。ガラスよりもっと安い材料を使うなどが考えられます。
プリズムも全く同じですね。
さらにその素材をどこまで精確に研磨するか?
コーティングも大変重要です。
その他の材料もどこまで良い物を使うか?
もちろん設計も重要です。
組み立てを設計どおり、キッチリどこまで丁寧にするか?
あとは、防水か非防水か?ボディが頑丈か?etc.
話がちょっと逸れてしまいましたが、ヒノデのN1とS1です。
視野の広さ、アイレリーフともS1が上回ってます。(少しです)
でも、昼間順光での使用においてはN1で充分かもしれません。
違いが歴然と表れるのが、昼間の逆光時や明るい光源が視野内に有る時です。
極端な例では、夜間こちらに向かって来る車のナンバープレートの文字が読めるか?
舞台やコンサートを鑑賞する時、スポットライトが当たっていない暗いところを見た時。
そんな時には差が出ます。
その“差”を気にするかどうかで選択すれば良いと思います。
S1は対物レンズとプリズムの周辺に反射防止の黒色の塗装を施したり、
プリズムに迷光防止のスリットを入れたり、
レンズ、プリズムに9層にも及ぶマルチコーティングを施したり、
本当にこれでもかと光学性能を追求しています。
N1は普通にまじめに作った双眼鏡です。
双眼鏡の基本に忠実に、かつコストを徹底的に追及して作ってあると思います。
ズームではなく倍率も控えめに(まじめに)作ると、この値段でも本格的なモノは作れる良い例だと思います。
またまた、話が長くなってしまいました。
続きは、また次回に…(今度は早く書きますスミマセン)