灰汁巻きの話


 

毎年、鹿児島から子どもの日に贈っていただくのが

「灰汁巻」…あくまき、と読みます。

お義母さま、ありがとうございます。

 

 

竹の皮に包まれたお餅のようになったもち米を

外を結んでいる竹の皮紐をさらに裂いて糸のようにし

食べやすい大きさにカット。

(包丁で切るとべったりくっついても~たいへんです)

それを砂糖きな粉にまぶしていただきます。

ここまで聞いた(読んだ)限りでは

「わらび餅のような感じかなぁ」と思われるでしょうが

これが似て非なるもの!

それには作り方に秘密があるようです。

 

灰汁巻は鹿児島のちまきにあたるもので

家々で手作りしていたそう。

(いまでは地元のスーパーなどでも時期に売っていますが)

藁を燃やしてできた灰をろ過(コーヒーをドリップするような感じ?)して

できた汁が灰汁(あく)で

その灰汁に一晩ほどもち米を浸したものを竹の皮で包んで

長~い時間煮ると灰汁巻の完成です。

この灰汁の効果でお米はついていないのにまるでお餅のよう。

独特の色も栄養も、わらび餅とは違います。

 

かつて、西郷どんも召しあがっておられたそうで

灰汁の強アルカリ効果でミネラルもいっぱい。

保存食(竹皮の抗菌作用もあって)としての歴史もあるそうで

かつて「世界のすぐれた食品」みたいなTV番組で

もっともすごいアルカリ食品として取りあげられていました。

 

マクロビオティックやらなにやらいっても

昔の人のすごい知恵にはかないませんなぁ…という感じ。

 

ちなみにわたしは個人的には

同じく鹿児島に伝わる“いこもち”というのが大好き!

やっぱりお餅系ですが、こちらは立派なスイートで

もち米を煎ったものを粉にしたいこもち粉を使います。

焼いてもチンしてもおいし~い! 素朴な甘さです。

 

鹿児島空港なんかではスイートといえば「かるかん」ですが

「いこもち」を見つけたら、ぜひぜひお試しあれ。

「あくまき」と違ってお節句の季節限定品ではありませんし

日持ちもします。

今年はたくさんの方にふるまったり、差し上げたりしてしまい

あっという間に手元からなくなりましたが

また来年もお出しできると思いますのでお楽しみに。

 

うわおぅ! あくまきはウィキベディアさまにも載っているようです。

 

 

 

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